時任可愛い
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程無く稽古のため道場へ行っていた室田と松原、そして買い出しに行っていた相浦が帰ってきて、少年探偵団全員が揃いました。
室田はボディーガード、松原は調査員、相浦は情報担当で、三人とも小学生でありながらやはり優秀な久保田探偵の手足なのでした。
久保田探偵は皆の顔を見回してから、今後どう動くか、『作戦』の内容を完結に伝えます。
しかし、こうも直ぐに作戦が練れるというのは、やはり探偵の才能なのでしょうか?
「げッ!」
「ええッ!?」
久保田探偵の作戦を聞いた時任少年と桂木ちゃんは同時に嫌そうな声を上げました。
「……本気なの?久保田君」
桂木ちゃんは久保田探偵の方を伺いましたが、本人は至って真面目な顔です。
が、真面目な時ほどろくでもないのがこの探偵です。
「だってさ、真田さんのターゲットは時任と国宝でしょ。両方とも同じトコにいちゃ盗まれ易いだけじゃない?」
「……まぁ、そーなんだけどさ……でも……」
理解しつつもイマイチ納得しきれない相浦。
「でも……大丈夫なワケ?」
「確かに危険がないワケじゃないけど、ココには室田も松原も相浦もいるから大丈夫っしょ。真田さん本人が来ることはない筈だし、雑魚なら十分」
「俺は絶対に嫌だ!」
声を荒げて久保田探偵に突っかかる時任少年。
腹立たしそうにかぶりを振ると、
「いつもと同じがいいッ!」
そう言って駄々を捏ねました。
「時任……この仕事受けるって言ったの誰?」
久保田探偵は窘めましたが、
「でもッ!」
時任少年は頑として聞きません。
「真田さんは冗談みたいな人だけど、油断できる相手じゃないって時任も知ってるでしょ?こっちだって出来る限りの手は打っとかないと。それがお前の安全だったら尚更だ。ねぇ?」
冗談みたいな人、とか言われてます。
久保田探偵の言葉に、むくれて俯いていた時任少年ですが、暫くしてぼそりと呟きました。
「ぜってー二十面相の野郎、やっつけんぞ」
時任少年らしい勝気な言葉でしたが、それは承諾の意です。
「勿論」
久保田探偵はチュッと時任少年のほっぺにキスをしました。
他の少年団員は何時ものことなのでもうなんのリアクションもしたくないようです。
皆さまには、まだ久保田探偵の『作戦』の概要がハッキリ掴めていないかもしれません。
しかし、それは話が進むに連れ明らかになっていくことでしょう。
それから探偵は相浦に二、三、調べて欲しいことを伝え、分かったら直ぐに連絡するよう頼みました。
松原には美術館の事前調査、そして桂木ちゃんにはあるモノを用意するように頼み、葛西さんに連絡を入れた後はもう探偵は何をするでもなく、時任少年と戯れ過ごし、その間にも時間は刻々と過ぎていって……

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