時任可愛い
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エロいのでぴくしぶさんに上げました。
これも和姦のような強姦のような久保時なのでご注意ください。
そんなんばっかか……
↓のリンクよりどうぞ。
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7294276

拍手[3回]

千々の紙切れが風に乗って花弁の様に風に舞う。
その紙に込められた想いも風に攫われて、想い人に届く事なく死んでいく。
「……最低ね。久保田君」
ラブレターを紙くずにした張本人を横目で睨む。
悪事を目撃された久保田君は涼しい顔だ、
長い指は執拗な程に細かく細かく手紙を破っていく。
シュレッダーも真っ青だわ。
ラブレターの宛先は、時任。
「これ渡した子さぁ、彼氏居るんだよね」
彼の言葉は意外にも言い訳染みていた。
こんな古臭い手使う癖に、と、独り言の様に漏らす。
「古臭い手は作戦なんじゃない?」
「かもね。ま、関係ないけど」
ひらりふわりと窓の外へ紙切れが舞い落ちる様はいっそ抒情的で、それを見つめる彼の顔に自嘲気な笑みが浮かんだ。
「女の子の素行はともかく、久保田君にそんなことをする権利はないでしょ」
「あるよ。俺には」
根拠のない台詞。
だけど二人を知る人間に対してはそれなりの説得力がある。
二人の絆や関係性を間近で見て来た私の様な人間に対しては、特に。
「時任に近付く女の子を邪魔し続けるの?」
「合格だと思えたら邪魔しないよ」
「時任の彼女の合否を久保田君が決めるんだ」
「そうだねぇ」


「じゃあ、私は?」


合格?不合格?
初めてこちらを振り向いた久保田君。
驚いた様子はない。
彼は私の気持ちに気付いて、様子を伺っていた。
嫌な男。
知ってたけど。
「……お似合いなんじゃない。二人とも気が強いけど、さっぱりした性分は似てると思うし。桂木ちゃんの意外と女の子らしいところ、時任は気付いてくれると思うよ」
低く静かな声と紫煙が私に絡み付く。
「でも、不合格」
わかっていた答えだ。
わかっていて、胸の奥がズキリと痛んだ。
時任に拒絶された訳でもないのに。
歪んだ顔を隠すように俯く。
「久保田君は時任のことが好きなの?」
「好きだよ」
彼の返答は素早く、迷いは無かった。
「……キス、とかしたことある?」
「前にも言ったと思うけど、俺らはそういう関係じゃないから」
彼は紫煙を吐き出した。溜息の様に。
「相方で、同居人で、ただの友達に思える時も恋人の様に見える時もある。でも、どの関係で言い表そうとしても足りないんだよねぇ。どれも当て嵌まって、どれも当て嵌まらない関係が一番近いのかも」
「でも案外、単純な関係になりたがってんじゃないの?久保田君は」
キスしたり、抱き合ったり、そんな単純な恋愛事をしたいだけなんじゃないの?
それを望みたくても望めないだけなんじゃないの?
「……さぁ」
彼は笑って、
「アイツの恋人に相応しい人間が居るとは思えなくて。俺も含めてね」
冗談めいた口調でそう言った。
馬鹿な男、と思いはしたけれど、口に出す事は無く、呑込んだ言葉は胸の奥底にはらはらと舞い落ちて消えた。

拍手[8回]

嫌よ嫌よも好きの内……って凄く都合のいい言葉だよなぁ。
加害者側の論理だ。
なんで嫌がってる相手の気持ちをそんな自信満々に決めつけられるの?
セックスしたら否応無しに生じる情があるのかもしれなくて、それに賭けてるのかもしれないけど、賭けに負けたらただの犯罪じゃない。
賭事は嫌いじゃないけど。
なんてね。


喉に吸い付くと、鼻にかかった声を上げた。
羞恥心からか唇を噛み締めて必死に声を上げまいとしているけども、堪えきれずに漏れる声に脳が痺れて、自分の衝動を止められなくなる。
もっと突いて鳴かせたくなる。シンプルな欲情だった。
ずっと抱きたいと思ってた。
何故かは分からないし考えたこともないけど、時任に欲情する、それは確かなことだった。
身体は素直で分かりやすい。
無理やり事に及ぶつもりはなかった筈なのに説明に足る言葉が喉から出てこなくて、無言のまま押し倒して、唇を重ねて、舌を差し込んだ辺りで驚いたように押さえつけた体は暴れ出したけど、そこで止められる筈もなく後は済し崩しだった。
強姦。
なんだろうなぁ。
セックスしてるって分かってるかな、時任は。
流石に分かってるかな。
押し倒した時はただただキョトンとしてたけど。
なんて無知。
その無知を知っていた俺には説明責任があった筈だ。
なのに、何の言葉も出てこなかった。
強いて言えば、ただ時任とセックスしたかった。
理由はないけどただヤりたいって言ったら、殴られてたかな。
現状も充分、殴られるに値するけど。
「時任」
揺さぶりながら名前を呼ぶ。
顔が見たくなって、目を覆っている左手を掴んで退けた。
細い腕は抵抗を忘れたかのように脱力し、されるがままだった。
濡れた目が、俺を見る。
普段は強い意志の光を宿す瞳が涙に滲み、熱に蕩ける視線が、それでも強く俺を焼いた。
スッゴく腰にクる、目。
腰だけじゃない、胸の奥の、そこに心というものが在るなら、それを鷲掴まれ爪を立てられたような――痛みは。
それでいて甘い、これは。
「あー……俺、お前に恋してたのか」
「……はぁ……ッ!?」
こんだけしといて今更何言ってんだお前!!
喘いで、マトモに言葉を発するのもままならない口の代わりに目がそう訴えてくる。
確かに。
「今、気付いた」
抱いてしまえばこっちのもの、とはいうけれど、抱いて自分の気持ちに気付くのが俺の方だとは。
「……ぁッ……ざっ……けん、なッ」
ごめんね?
「好き、時任」
初めて口する言葉は、興奮を煽って、
「愛してる」
まるで媚薬みたい。
「ばっか……ッ……俺、は……」
ずっと前から好きだった。
途切れ途切れに言われた言葉に笑って、頷く代わりに穿って、甘い痛みと熱に溺れた。


 


ホントはコレが恋とか好きとか愛とか、それで正しいのか分かってなかったけど、欲情だけじゃないんだよ、それは本当。
重ねた肌と熱の中で答えを見つけさせてよ。
俺とお前の関係に、正解なんてないのだとしても。

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シガーレットチョコを買った。
見かけたから何となく買ってみただけ。
煙草を模した、百円もしない古臭い駄菓子。
ソファーに座って一本銜えてみる。
チョコの味がした。
当然だけど甘い。
人差し指と中指に挟んでから、すぅと息を吐いてみる。
何時もあいつがしてるように。
煙は出なかった。
当たり前だ。
指先のそれをぼんやりと眺めて、『昔』あいつにシガーレットチョコを買ってやったのを思い出す。
俺が煙いっつってんのにちっともあいつが禁煙しねぇから、いつものセッタを全部隠して、煙草のチョコにすり替えてやった。
一つだけポツンと置かれたそれを見付けて、最初奴は吃驚したような顔をして、それから一つ咥えて「甘い」って言って苦笑したっけ?
俺は甘い方がいいじゃんって笑った。
煙草を止めて偽物の煙草チョコを食べ続けたら、ヤツに染み付いた苦い香りも甘く変わったかもしれない。
甘い香りのあいつなんて想像出来なかったけど。
……それに、苦いのが嫌いってワケじゃない。
あいつは俺の悪戯に、しょうがないなぁって笑って、それからキスをしてきた。
軽く唇が触れ、何度も触れたり離れたりを繰り返した後、舌と舌を絡めて貪り合う。
そのキスは何時も通り苦くて、でもチョコなんかより全然甘かった。
あの苦くて甘い味はもう『過去』のものだ。
過去なんて俺にはなかった筈なのに。
煙いとか言い訳して、あいつの体の心配をすることも。
シガーレットチョコの悪戯をすることも。
あの、苦い笑いを向けられることも、もうない。
苦い笑いの中の甘い眼差し。
今はもう思い出すのも痛いほど、あんなに優しい目をしていたのは俺の意図を分かっていたから。
頬を伝い流れ落ちるものが何かなんて考えたくなかった。
シガーレットチョコを持つ手が小刻みに震え始める。
ポトリとそれが落ちたけど拾うこともできずにつっぷした。
ぎゅっと唇を結んで、辛うじて嗚咽を噛み殺す。
膝を抱え顔を埋めてただ小さくなった。
心臓の辺りを掴んで、どうしようもなく一人であることを思う。
世界に一人ぼっち。
てめぇのせいだよ。
久保ちゃんの馬鹿。
煙いっつってんのに禁煙しねぇから。
結局最期まで苦い香りだったあいつ。
俺からあいつを奪ったのは煙草じゃなくてたった一つの小さな弾丸だったけれど。


 


甘いはずのシガーレットチョコ。


口の中は何故かしょっぱかった。

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「……なんで俺、婦警なんだよ……」
「可愛いからに決まってるっしょ」
「ワケわかんねぇ……っていうか俺とお前、全然課が違ぇんだけど。なんでここにいんの?」
「そりゃ、時任の可愛い姿を堪能しにでしょ」
「わッ」
「スカートにこーんなスリット入れちゃってねぇ。全く。太股剥き出しじゃない」
「このスカートを指定したのはてめぇだろうがッ! 触んなッ!」
「俺だけ堪能するつもりだったのになー。課が違うし」
「膝にのっけるなッ!」
「婦警さん萌えって言ったら、やっぱ『逮捕しちゃうゾ☆』って感じ?」
「人の話を聞け!」
「ねぇ時任。『逮捕しちゃうゾ☆』って言ってみてくれない?」
「強制猥褻罪淫行罪諸々で逮捕すんぞ!」
「ん? 手錠で牢屋で拘束プレイ? けっこーマニアックなプレイが好きなんだね。時任」
「一言もプレイなんて言ってねぇええええ!」
「大丈夫。どんなプレイを嗜む時任でも愛してるよ」
「聞いてねぇし! 久保ちゃんなんてもう知らねぇッ!」
「時任」
――ガチャンッ
「俺も手錠持ってること忘れてたでしょ?」
「オイてめッ! 外せ!」
「さーあこれで離れられないよー? ベッドに行こうか」
「国家権力を得てすらこの馬鹿を止められないのか俺は!」
「大体、時任がお巡りさんっておかしいでしょ」
「なんでだよ」
「にゃんこは迷子になって犬のお巡りさんに泣きつかないと」
「迷走してんのはてめーの方だ!」
「俺は犬のお巡りさんなのに」
「っていうか久保ちゃんは刑事なんだからおまわりじゃねーだろ……」
「似たようなモンじゃない?」
「全っ然違ぇぇええええ!」

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