時任可愛い
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見えない、ということの意味は大きい。
視覚に頼る人間にとっては特に。
視覚情報を補う為に否でも応でも好奇心とイマジネーションを刺激される。
右手を皮手袋で覆い隠し、視線の干渉を遮断している時任は、その秘密でどれほどの人間の興味を引いているのだろう。
些か妬けるね。
「久保、ちゃんッ」
そして今、目隠しをされて視覚の全てを奪われた時任は、見えない世界をどう補っているのだろう。
補われた世界は、俺は、どんな形をしているのだろう。
ワイシャツの上から乳首を舐める。
「うわッ!」
唾液に濡れた布が透けて、色が透けて見える。
その様がイヤらしいのに可愛くて、布越しに音を立てて吸った。
「……ヤッ!」
時任が嫌々をするように小さく頭を振る。
見えないからか、いつもより緊張で身体が強張っているような気がする。でも、いつもより興奮してるでしょ?
「久保ちゃん、目、外せ!手もッ!」
不自由な身体を捻って、手の戒めを解こうとする。
でもネクタイって意外と縛るのに向いてるんだよね。
簡単には解けないよ。
耳を食むと、小さく声を上げて首をすくませた。
布越しに指で乳首を弄りながら首や鎖骨を舐めたり吸ったりする度に、細い身体はビクビクと震える。
若いよねぇ。やっぱり。
股間を軽く掴むと、焦ったように声を上げた。
「制服、汚れんだろッ!」
「お前、ここどこだと思ってんの」
ここクリーニング屋よ?どんなに汚したって綺麗にしてあげるから。
やわやわと揉みしだくと、直に触れなくても硬さと熱が伝わってくる。
物足りなさを感じていることも。
「……なんでッ」
「ん?」
「なんで、こんな、縛ったり……」
「最近、帰りが遅いから」
「はぁ?」
「俺がいなくても楽しいんだろうなーって」
それは悪いことじゃあない。
俺はいつでもお前が楽しいことを望んでる。
でもね、お隣りさんと仲良くしてるお前を見て、何も思わないワケでもないんだよ?
「だから俺とも、楽しいことしようよ」
時任の顔は真っ赤だ。
目元が見えなくてもお前の気持ちなんて、それだけで明白で。
どんなに隠しても、見えなくても、俺の想いも、お前の想いも伝わってしまう。
「久保ちゃん、30になってオヤジっぽくなった!!」
「そういう時任君は若いんだから、オヤジに体力負けしないようにね」
ううッと唸った唇に軽くキスをして、見えない世界の中で俺だけを感じている時任をゆっくりと快楽の海に落としていった。

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