時任可愛い
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マジ腹ペコじゅりです。
帰り道が一番お腹すくわ~
でも今日は作らないと食べられない…お腹空いた…
先週締め切りがアレだったんでやる気がログインしてたんですが、締め切り乗りきった途端にログアウト…あーもう働きたくないでござる。


土曜日は文芸部麺との飲み会でした。
楽しかった!!
相変わらずテンション高いというかノリがいいというか。
女子会のノリではなかった(笑)
お店が近未来何かモチーフにしてて、なのに表記が200×年だったからオイオイ随分懐かしの近未来じゃねぇのとめっちゃ馬鹿にしてたんですが、料理めっちゃ美味しいし食べた放題飲み放題だし安いしで最高の居酒屋でした!またあそこでもいいくらいだよ(笑)
何かオタク話に終始してた気がするけど、なに話してたのかもう覚えてないよ…ごはんおいしかった…


日曜日はあちゃ親友たま秋人とハンター劇場版観に行ったよ!
いやーこの四人で集まれたのすっごい久しぶりだー個々ではちょくちょく会ってるけど(笑)
次は花見できたら良いな~
ところで劇場版ハンターは、うん、うん。
何がアレって私が原作派で今のアニメ全然見てなかったのが悪いのか、時系列が多分アニメに沿ってるんですよね?アレ。
時系列が違うことによるアレソレがとにかく気になってしまって、なんというか、そこはもういいよ!!的な何かがもにゃもにゃ。
まぁでもキルアは可愛くてゴン大好きでヒソカは気持ち悪くてイルミはブラコン拗らせてたので良かったと思います。


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数年ぶりにバレンタインSS書いた気がする。
だって私それなりに何回も久保時でバレンタインSS書いてますからね…ネタも尽きますよ…
ただ毎回毎回久保ちゃんが時任にチョコを渡してるので、たまには時任が久保ちゃんにチョコをあげる可能性を追求してみようかなと思ったんですがどうしてああなった。
あげるどころかこの先ずっと渡さないとか宣言しちゃった。
まぁ基本的に私の中には久保ちゃんにチョコを渡す時任はいないから仕方がない。
私個人のバレンタインとしては父上に日本酒送ったし職場にチョコばら蒔いたし恙無く終了しました。
完全にお歳暮である。
もうチョコ売場がコミケみたいになってて引いたよ…
男性も結構並んでて吃驚した。
確かにこの時期じゃないと買えないチョコもあるだろうし、チョコ好きには買いだめの時期ですね!!
何か今年はもらう方もそこそこだったので嬉しい。自分用は買わなかったけど結構食べた気がする。
でもバレンタイン出費それなりだったよ…結構痛い(´;ω;`)



カヲシン本読んでは萌え震える日々ですカヲシン早く結婚しろ…!
Qも貞も庵もいい…!一粒で三度美味しいとはまさにこのこと。
っていうかやはりエロは良いですね…結構ギャグメインで好んでたんですが、エロも良いですね…!
後私前から主張したかったんですが、Qはヘタレじゃないと思うんですよ…!
確かにお風呂もキスもなかった…一次的接触は少なかったかもしれない。
女神でアガペーでピュアなのもそうなんだと思う!でも!
仮にQカヲがシンジ君に手を出さなかったのだとしても、それはヘタレだからじゃなくて自分のリビドーよりシンジ君の幸せを優先したためですよ!!ヘタレだからじゃなく!!
だってあの性的な言動の数々…カヲル君マジ性的。
しかし確かに庵カヲと比べるとね…庵カヲの圧倒的なホモ度よ…



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久保ちゃんが珍しく、放課後買い物に行こうなんて言い出した。
休日に出掛けるのはよくあるけど、放課後に誘われるのは珍しい。
大体校務があるし。
でも今日はバレンタインだぜ?
放課後なんて、チョコを渡そうと俺様を待つ可愛い女の子がわんさか居るに決まってんじゃん!
何でよりによって今日!
けど俺様程じゃないにしろ、久保ちゃんにもチョコを渡そうと思ってる女子が居るだろうし、それはかなりムカつくから、文句も言わず久保ちゃんの買い物に付き合うことにした。

でだ。
着いた先は駅前のデパート。
の地下一階。
の、チョコ特設売場。
なっっっっんでよりによって今日こんなとこ来てんだよ!
男二人で!
さっきから周りの奴らにめっちゃ見られてるじゃん!
俺だってそんな奴ら居たら見るっつーの!
「何考えてんだ久保ちゃん!キワモノチョコ探しなら一人でやれ一人でっ!俺は帰るからな!」
小声で捲し立てる。
変な汗をかいて焦る俺様とは対照的に、人混みの中、久保ちゃんはのんびりショーケースのチョコを物色している。
当日でもこんなにチョコ買う奴いんだな…
久保ちゃんは俺の文句に、
「んー?」
「そーねぇ」
なんて生返事を返すばっかで絶対話聞いてねぇ。
本気で帰ろうと思った俺の口に、何を思ったのか久保ちゃんは試食のチョコを一つ放り込んだ。
「美味しい?」
濃厚な甘さが舌に溶ける。
後味も悪くない。
「旨い…けど」
「じゃ、こっちは?」
もう一つ差し出され、思わず口に入れる。
噛んだ瞬間にふんわり蕩ける生チョコレート。
シャンパン風味。
じゃなくて…
「なんっで俺に食わせんだよ。自分用なら自分で味見すりゃいいじゃねぇか」
「だって」
久保ちゃんは含んだ笑みを浮かべた。
「お前に渡すチョコなんだから、時任が一番美味しいと思ったのが良いっしょ?」
周囲のヒソヒソ話がピタリと止んだ。
視線という視線が俺の方を向いている気がする。
顔に血液が一気に上がって、そして一気に下がった。
返事次第で俺は、この衆目下、目の前ののっぽな眼鏡の男と、男と、バレンタインにチョコを贈り贈られる仲だって認めることになるのか。
一体何でこんなことに!?
バレンタインってこんなハードなイベントだっけ?
っていうかコイツ去年のバレンタインにチョコやらなかったのぜってぇ根に持ってやがる。今確信した!
ホワイトデーにもなんも渡さなかったのは流石に悪いかとは思ってたけど、まさかこんな形で報復食らうとは。
自分の唾を飲む音がやたら大きく聞こえる。
何やら写メを撮る音も聞こえる。
誰だ撮ってる奴は!金撮るぞ!
久保ちゃんは楽しそうに俺の様子を見ている。
ここで、冗談言ってんな馬鹿俺は帰る!と一蹴してしまうことは容易い。
俺のプライドはさっさとそうしろ!って怒ってるし、俺の男気もやむを得ないと頷いてる。
久保ちゃんだって結局は許してくれるだろう。

でも俺の中でたった一つ、それを許さない奴が居た。

試食のチョコを乱暴に手に取ると、久保ちゃんの口に突っ込む。
「……?」
「俺のもんはお前のもんだろ。……久保ちゃんの好きなチョコでいーよ!」
珍しく見開かれた細目を尻目に今度こそ背を向けて一人その場を後にする。
静かだった周囲は、悲鳴のような甲高い声が上がって一気に騒々しくなる。
背中に突き刺さる視線が痛い。
あーもう。
写真でもなんでも撮りやがれ。
今日日どんな恋人だってバレンタインのチョコ売り場でこんなバカップルなやり取りしねーだろ。
俺様はもう知らねぇ。後は一人で恥ずかしい思いしやがれ!
一人置いてけぼりの久保ちゃんが今どんな表情をしているのか少し気になったが、こんな赤い顔を晒せる筈もない。
あーもうマジはずい。
バレンタインなんて最悪だ!

この先何回何十回バレンタインを迎えたって、俺が久保ちゃんにチョコを渡すことはないだろう。
そんな必要なんてない。
久保ちゃんにはチョコより甘い俺様のこのコイゴコロで充分…の筈だ。

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なんで三連休、すぐ終わってしまうのん……?
でもとっても楽しい三連休を過ごしたよ!!

土曜日は同期と渋谷の白隠展行ってきた。
白隠って、禅画の大家……なのかな?
でも、画風が凄く漫画ちっくで、凄い独特。
我流だかららしいけど、なんか見たものじゃなくて見えてるものを描いてる感じ。
なんかすごいエネルギー感じた!
後は、バトラーズカフェにふらっと入ってなんかすごかった(笑)
お姫様ティアラ着けられて死ぬかと思った。
でも、なんなイケメン外人バトラー達に誕生日祝ってもらえたらいいな……でもおひめさまだっこまじむり。
いやでもなかなか良かったですよ(笑)
イケメン外人バトラーに興味のある御嬢さんは是非行きましょう!
後、カラオケして〆だったかな?

日曜日は蒼梓ちゃんが来てくれたよ!!
gnk君祭りしたよ!!
3本DVD見たよ!!
gnk君やmri氏を抜きにしても非常に面白い3本だったんですが、もうもうもうもうもうもうgんk君が可愛くてかっこよくて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて。
あんなに可愛いのに男前で演技の幅広くってgnk君最高ですね!!!!
正直まだgnk君には時任フィルターかかってるのでなんかもう無条件に何見ても可愛く見えるけどマジ男前可愛い。
あーアダプタ舞台版DVD発売されてたら延々延々舞台の文句言いながら延々延々gnk君時任を可愛い言いながら眺め倒してたんだろうなぁ。
っていうか蒼梓ちゃんが見せてくれた黒髪ロングgnk君の写真があまりにもクオリティ高すぎて毛根死滅した何あの美少女。
余力があったら時任で描きたいと思ったくらい儚い美少女なgnk君……国は一刻も早く黒髪ロング元気君を国宝として保護すべき。
あと写真集だしてください・・・・・・・・!!!!!!
とにかく写真持ってきてくれた蒼梓ちゃんマジ女神。
後はアダプタの色々について語ったよ……!
アダプタ最終回一人じゃ耐えられないから絶対一緒に読もうねって言い合いました。
いつの話してるんだよ。
ぶっちゃけオンラインも一人じゃ耐えられないよ……!!また絶対発狂するよ私……!!!
本誌再開とかもうどうなちゃうの私。久保時じゃなくて私がどうなるのか心配。
落ち着けという。
次はGothelimitからのGoon耐久LIVEDVD鑑賞会を3月に開催予定。

そして本日日曜日はりーやんとカヲシンオンリー行ってきたよ!!!
ほんっっっっっとうに楽しみにしてた!!
冬コミではカヲシン我慢してたしね!!
そもそも熱出していけるような状態でもなかったんですが、絶対行ってもロクに買えないだろうなって思ってたし。
Q公開直後で供給側も供給数把握できてないだろうし支部見る限りでは需要凄そうだし、蘇るおおふりのトラウマ(アニメで一番盛り上がってた時期の、大手に一時間かそれ以上並んだ挙句に大手売り切れて買えず他のサークルも全部売り切れで一冊も買えなかった悪夢の夏コミ)だったし……
で、かなり覚悟してたんですが、結果としては9割方欲しいの買えました!!
特に狙ってた大手のご本が全部買えて俺感涙ですよ……!!
それもこれもりーやんのおかげだよ!!本当に有難う!!!!!!!
手分けして買う戦略がかなり功を奏しました。
大手並んでる時に後ちょっとのトコで、もう在庫は机に出てる分だけです!!ってアナウンスされた時は相当焦ったけどね!!でも買えた!!!
入りの時間も絶妙だったし、りーやんナイスだよ!!
今回は早く来て並べる会場でホントよかったー
美味しいマカロンも食べさせてもらっちゃったし!
マカロンうまぁぁぁああ!!!
で、二人でカラオケボックスに引きこもり久保時ソングを歌いもくもくとカヲシン本を読みカヲシンに萌えカヲシンを語りアニソンを歌い久保時っぽい曲を歌い久保時っぽい曲がカヲシンっぽく聞こえることに気づいて戦慄し、残酷な~と第九を歌いました(笑)
第九、日本語訳だったんだけど、マジカヲル君ソングで戦いた。
(私信:言ってたQサントラのカヲシンソングはkindred spiritsとfamously...だよー25で検索したら出てくるはず日本語訳版)
しかし私とりーやんの会話って基本、「あるあるー!」「だよねー!」「わかるー!」って感じなんですが、こと久保田と時任の話になると、「久保田様に撃たれたい!」「あ……うん」「時任帰れって言うと思う」「なんでぇええええ可愛い可愛いするじゃん!」ってなるので本当に面白いなぁと思います(笑)
ホントどっちを偏愛してるかって違いだけだよね(笑)
しかしホント好きなキャラが違うだけで変わるもんだね視点……りーやんの、アキラさん×久保田発言とか久保田×カヲル発言には度肝という度肝を抜かれたし、確かに君と銃をシーツに包んでるのが時任が包まれてるのが久保田の可能性もあるわな!
まぁ時任に包まれてる久保たんマジ眼鏡粉砕だけども。
りーやんホントにありがとー!!!
次は3月遊ぼうね!!

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時は現代。

都内某所に、両隣を高層ビル挟まれた小さな事務所が慎ましく建っておりました。

然程古くもなく、かといって新しくもない四階建ての平凡なビルです。

一階は喫茶店、二階、三階はテナント募集中で、四階はどこかの事務所のようでしたが一見して何の事務所だかは分かりません。

絶えず子供の気配がする為、隣のビル等の近所には託児所か何かと勘違いしている人間も居るほど、そこは自己主張に欠けた

場所でしたが、そこは東京、いや日本一の名探偵が構える久保田探偵事務所なのでした。

探偵は今日も大きなソファーに座って、事件に全く関係なさそうなスポーツ新聞を読んでいます。

長い前髪から覗く横顔は大層端正でしたが、のほほんとした空気を纏い淫猥な広告が見え隠れする新聞を読んでいる姿は

隠居前のお爺さんのようです。

久保田探偵は例え灰色の脳細胞を擽るような怪奇事件の記事を見つけても、「へぇー」の一言で終わらせてしまいます。

早い話、やる気がないのです。

この探偵、実力にやる気が反比例しているようで、

探偵が事務所を大っぴらに宣伝しないのは、そういう訳がありました。

久保田探偵は、ただ静かに新聞を読んでいます。

活字の羅列を目が追って、節のある長い指がページをかさりと捲り、そして時々膝の上で眠るにゃんこを優しく撫でます。

いえ、にゃんこのように丸まっており、雰囲気も大分猫っぽいそれは可愛らしい少年です。

すぴすぴと寝息を立てている少年の名前は時任といいました。

一応久保田探偵の助手です。

一応、が付くのは、彼が事件の引き鉄になったり、騒ぎを起こしたり、攫われたりとトラブルメーカーになることが多いからです。

本人はとても一生懸命なのですけれど……

そんな彼でしたが、しかし時任少年はこの事務所にとってなくてはならない要の存在なのでした。

彼がいないと探偵事務所は成り立たないのです。

それがどういうことかはお話が進むにつれ皆さんにも分かってくるでしょう。

「ちょっとッ!久保田君!!」

滞留していた部屋の空気が、女の子の甲高い声と騒々しくドアが開けられる音で打ち破られました。

小学校六年生ぐらいの年齢に見える女の子が、肩で息をしながら久保田探偵の方を睨みつけています。

彼女は久保田探偵事務所の助手……諸々の事情で久保田に養われている少年探偵団の一員で桂木ちゃんと呼ばれ、

とてもしっかりした彼女は小学生でありながら、怠惰な探偵が生み出す赤字と日々戦い事務所を切り盛りしているのでした。

少年探偵団は他に何人かの団員がおり、団長は時任少年です。

「どーゆーッ……」

「し、時任が寝てる」

久保田探偵はソファー越しに振りかえって、人差し指を唇に押し当てました。

彼は何よりも愛猫を優先させるのです。

桂木ちゃんは眉間に皺を寄せ、それでも声のトーンは落として話の続きを捲くし立てます。

「どーゆーことよ」

「何が?」

「二十面相からの予告状!無視した上に警察からの依頼も断わったんですって!?」

興奮と憤りが蘇り、押さえた声が大きくなってしまいました。

「うー……」

久保田探偵の膝に頭を乗せている時任少年がぐずるような声を上げます。

それを宥める様に頭を撫でて、久保田探偵が首を傾げました。

「何かまずかった?」

「まずいに決まってんじゃない!!」

桂木ちゃんは叫んで、ドアをがんッと殴りました。

その音で、ついに時任少年は目を覚ましてしまいました。

頭を起こして、寝惚け眼できょろきょろしています。

「折角の仕事、なんで受けないのよ!」

「面倒だから?」

「事務所の財政がどんだけ逼迫してるか分かってるワケ!?」

一回一回の仕事のギャラは決して少なくはないのですが、何しろこなす数が少ない上に、予算に組み込まれている『時任費』

の存在が財政を苦しいものにしているのでした。

「ほら、二十面相の予告状だって、『前略、元気かね?久保田君。そろそろ君の顔が見たくなったので、手頃な国宝でも

盗むことにしたよ。逢瀬の場所は国立宝飾美術館。日は10月29日、時間は午後十時ジャストだ。手土産に『泣かない未明』と

君の大事な愛猫を頂くこととしよう。楽しみに待っていてくれたまえ。怪盗二十面相』ってまるっきり久保田君への招待状

じゃない」

二十面相というのは、変装の天才で二十の顔を持つと言われている今世紀最大の怪盗ですが、その内実は

久保田探偵を偏愛するただのストーカーです。

久保田探偵にかまって欲しくて国宝盗んだりする困ったナイスミドルなのでした。

「招待されてほいほい招かれたらただのアホっしょ」

「大事な愛猫も狙われてるよーですけど?」

「俺が関わらなかったら時任だって狙われようがないっしょ」

「……え、俺狙われてんの?」

寝起きの掠れた声を出して、時任少年が久保田探偵を見上げました。

目がまだトロンとしています。

「俺が守るからだいじょーぶ」

そう言って、久保田探偵が小さな額にちゅっとキスをしました。

時任少年の林檎のようなほっぺが更に真っ赤になります。

桂木ちゃんはその胸焼けしそうな光景を、げっそりした顔で見つめています。

「……どうあっても仕事受ける気はないワケ?国宝が狙われてんのよ!」

「盗難されそうな国宝を守るのなんて、探偵の仕事じゃないっしょ。そこに解くべき謎があるならまだしも。密室とか。

大体、密室の謎なんて解かなくても物的証拠出れば一発お縄で意味ないんだけどねぇ。警察がしっかり警備してれば

いくら怪盗といえども簡単に盗めないっしょ。それで盗まれるんなら警察の怠慢なんじゃない?」

さらさらと久保田探偵が探偵とも思えないような、しかし至極当然な事を口走り、桂木ちゃんが反論できず言葉につまって

いると、

「……悪かったな。怠慢な警察でよ」

「あらら……」

桂木ちゃんの後ろから憮然とした顔の葛西さんが事務所の中へ入ってきました。

葛西さんは久保田探偵の伯父さんであり、刑事でもあります。

「おっちゃんだ!」

「よ、久し振りだな。時坊」

苦い表情を浮かべながらも葛西さんは時任に笑いかけ、ソファーに腰を下ろし久保田探偵と向き合いました。

「葛西さんは怠慢っていうより不良でしょ」

「まーな」

頭をがしがし掻いて、どう切り出そうか迷ってるらしい葛西さん。

「桂木ちゃんに予告状のこと教えたの、葛西さん?」

「ああ。さっき下で会ってな」

そう言って、桂木ちゃんが淹れてくれたコーヒーを啜ります。

久保田探偵はふぅんと返しただけでしたが、付き合いの長い葛西さんには、余計なことをと思っている探偵の内心が手に取るように

分かって冷や汗ものです。

「どうあっても受ける気ねぇのか?警察の依頼」

「受ける意味ないし?真田さんは俺が出てきたら張り切るだけっしょ」

真田さんとは二十面相のことです。探偵はそれなりにちゃんと調べているのでした。

「そーなんだけどよ……だが、お前が出てこなくったってブツはちゃんと盗んでいきやがるんだ。悔しいがな、警察の機動力じゃ

あの腹黒野郎に太刀打ちできねぇんだ」

腹黒野郎とは二十面相のことです。無茶苦茶言ってます。

「民間人のお前に頼るのは筋違いだってことは分かっている。だが頼む誠人。力を貸してくれ」

葛西さんは久保田探偵に向かって頭を下げました。

しかし探偵は、葛西さんがここまでしているのに返事を渋る様にボーっとしたままです。

その様子に桂木ちゃんが二度目の噴火を起こしました。

「国宝も危機!財政も危機!あんたが仕事すれば一石二鳥即解決なのになんでそんなにやる気ないのよ!!」

「だって……ねぇ」

その時、黙って座っていた時任が動きました。

「久保ちゃん。おっちゃんが困ってんだろ。受けてやれよ!」

久保田探偵の膝に向かい合わせに乗っかって、その頬を両手で挟むと顔をじっと覗きこみます。

傍から見ると中々扇情的な格好をして、

「最近、久保ちゃんが仕事しねーから俺様つまんねぇ!!いーじゃん。久々に暴れてやろーぜ?二十面相の変態なんて

俺らの敵じゃねーだろ」

変態とか言われてます。

「んー」

時任少年のお願い攻撃に、かなり心が揺らいだらしい探偵。

そうです。国宝が盗まれよーが事務所が赤字だろーが何処吹く風の探偵でしたが、愛する時任少年にお願いされるなら

話は別でした。

事務所と国宝の運命が時任少年にかかっている為、葛西さんと桂木ちゃんははらはらしながら二人の動向を見守っています。

後一押し!と思った時任少年は、

「……探偵やってる久保ちゃんって……か、カッコイイしさ……やって?」

ほっぺを赤くして、照れまくりながらも頑張って、久保田探偵がかなりやる気を出すようなことを言いました。

「んー……しょうがないなぁ」

そうは言いつつも、探偵の垂れ目は更に垂れています。

しかし抜け目ないのがこの探偵。

「受けるけど、その代わりチューしてよ」

「はぁッ!?」

ぼんッと音のでる勢いで時任少年の顔が真っ赤になりました。

「な、なんで俺がッ!」

「俺を動かしたのは時任でしょ?」

「……うッ……」

時任少年は助けを求めるように周りを見渡しました。

しかし、葛西探偵は両手を合わせて拝んでいるし、桂木ちゃんはハリセンを構えています。

「とーきーとー」

「……」

仕方なく腹を括った時任少年は、真っ赤な顔を久保田探偵に近づけました。

底意地悪く目を開けたまま、その羞恥に染まる表情を堪能している探偵。

ギャラリーの二人は何故か固唾を飲みながらその様子を食い入る様に見ています。

時任少年が涙目をギュッと瞑って。チュッと触れるだけのキスを落として。

「……ありがと」

探偵は笑い、精神的疲労からくったりした時任少年を膝の上に抱きかかえました。

「じゃ、そーゆーワケで引き受けるよ。その依頼。予告の日にちまでまだ時間があるし、こっちも準備とかあるから

今日のトコは帰ってもらっていい?また後で連絡するから」

「あ、ああ。悪いな。頼むぞ」

多少呆気に取られながらも葛西さんはそそくさと帰り、探偵は呆れ顔の桂木ちゃんに笑いかけました。

「もう直ぐ室田達も帰ってくるし、作戦会議でもしましょーかねぇ」

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