時任可愛い
タイトルに特に意味はない。
そうそう時系列考察、復習的な感じで書いたんだけど多分今まで気付いてなかったことが一つあって、それは邂逅の牙立ち上げがWA流出&時任逃亡と恐らく近い時期であること。
まぁ教団立ち上げ時と目的が同じとは限らないけど(立ち上げ当初の目的は資金稼ぎだったがWA関係者釣りにシフトの可能性も)
まぁ何が言いたいかって言うと、1995年からWA追ってんならバックに居る組織は1998年に重い腰上げた出雲会の可能性はほぼないなっていう。
でも真田さんは1997年には認識してるからなんともアレなんだけど。
東条と出雲のWAに関する温度差も気になるわ。
何で自分のシマで未知の薬流れててあんな無関心なん?
いや多分知ってたとは思うんだけどね!!
逆に東条の情報の速さも気になるし。
そして1996年1月の段階で実物入手しといて一年後チンタラ流出元探ってんのも気になるけど。
寧ろ目的は薬自体じゃなくて流出元なんじゃないか?
まぁそれは別に考えるわ。
出雲会の当初のWAへのアプローチが邂逅の牙だった可能性もなくはないと思うんだけど、じゃあ出雲でないとして、じゃあ東条か?
でも東条は関谷が面子かけて調べてるし、関谷が三ッ橋さんを使うとは考えられない。
第一会長って言ってるし。三ッ橋さん。
で、三ッ橋さんホステスやってたのって新宿じゃないですか。
そういえば一巻で港会って組が名前だけ出てたなぁと。
新宿仕切ってたの過去形で書かれてたけどね。
でも東条と出雲の本家的な立ち位置なら寧ろ情報は港会→東条の可能性も考えられるんじゃないかと。
まだ書きたいことあるけど続きは次回!
あーなんかエンジンかかってきたなー楽しいなーもー原作再開楽しみすぎてもう落ち着かない!!
そうそう時系列考察、復習的な感じで書いたんだけど多分今まで気付いてなかったことが一つあって、それは邂逅の牙立ち上げがWA流出&時任逃亡と恐らく近い時期であること。
まぁ教団立ち上げ時と目的が同じとは限らないけど(立ち上げ当初の目的は資金稼ぎだったがWA関係者釣りにシフトの可能性も)
まぁ何が言いたいかって言うと、1995年からWA追ってんならバックに居る組織は1998年に重い腰上げた出雲会の可能性はほぼないなっていう。
でも真田さんは1997年には認識してるからなんともアレなんだけど。
東条と出雲のWAに関する温度差も気になるわ。
何で自分のシマで未知の薬流れててあんな無関心なん?
いや多分知ってたとは思うんだけどね!!
逆に東条の情報の速さも気になるし。
そして1996年1月の段階で実物入手しといて一年後チンタラ流出元探ってんのも気になるけど。
寧ろ目的は薬自体じゃなくて流出元なんじゃないか?
まぁそれは別に考えるわ。
出雲会の当初のWAへのアプローチが邂逅の牙だった可能性もなくはないと思うんだけど、じゃあ出雲でないとして、じゃあ東条か?
でも東条は関谷が面子かけて調べてるし、関谷が三ッ橋さんを使うとは考えられない。
第一会長って言ってるし。三ッ橋さん。
で、三ッ橋さんホステスやってたのって新宿じゃないですか。
そういえば一巻で港会って組が名前だけ出てたなぁと。
新宿仕切ってたの過去形で書かれてたけどね。
でも東条と出雲の本家的な立ち位置なら寧ろ情報は港会→東条の可能性も考えられるんじゃないかと。
まだ書きたいことあるけど続きは次回!
あーなんかエンジンかかってきたなー楽しいなーもー原作再開楽しみすぎてもう落ち着かない!!
1977年(1978年)9/8 潮稔生誕
1979年8/24 久保田誠人生誕
1981年 潮氏ベトナム着任
1983年2月 バス事故 (稔君当時5歳)
1987年 潮氏ベトナム再着任
1992年 久保田傷害事件
1993年 稔君死亡認定
1995年 東京下北沢にて時任逃亡中
1995年 邂逅の牙立ち上げ
1995年5月 横浜にて久保田誠人出雲会年少組リーダーに
1996年1月17日 小宮死亡
1996年1月19日 久保田出雲会退会
1996年1月21日 久保田東条組組員襲撃
1996年2月11日 久保田時任を拾う
1996年2月14日 時任目覚める
1996年3月8日 時任久保田の腕を折る
1996年3月10日 時任謝る
1996年3月15日 時任パスタを作る
1996年4月30日 時任ちくわぶを買う
1996年6月2日 翔太引っ越す
1997年1月16日~ 沙織編
1997年8月 滝沢編
1997年 12月10日志村殺害事件
1998年4月 佐藤義郎氏出所
1998年(穀雨:4/20~5/6) 時任豆知識披露
1998年5月 チンピラ佐藤老人宅に押し入り
1998年 (冬?)修司死亡
1998年 修司死亡より49日頃の6日 時任拉致
1998年 (4月より数ヶ月後)10日出雲会タンカー襲撃事件
頑張った。。。。。。多分漏れはない筈。
やっぱりどう考えても時任が逃げ出した時期とWAの流出時期一緒だな~~~~~~~~
修司死亡時期を冬にしてるのは、ゲーセンの人たちの服装が冬っぽかったのと、真田さんが「まだ時期ではない」って言ってるバックの木が枯れているからです。
小宮さんが死んで二年近くたつ、だしなぁ。まぁあんまり真冬だと三年近く、のような気がするけど。
時系列考察1にしたのは、この先、情報が更新されることを期待してるからだよ!
1979年8/24 久保田誠人生誕
1981年 潮氏ベトナム着任
1983年2月 バス事故 (稔君当時5歳)
1987年 潮氏ベトナム再着任
1992年 久保田傷害事件
1993年 稔君死亡認定
1995年 東京下北沢にて時任逃亡中
1995年 邂逅の牙立ち上げ
1995年5月 横浜にて久保田誠人出雲会年少組リーダーに
1996年1月17日 小宮死亡
1996年1月19日 久保田出雲会退会
1996年1月21日 久保田東条組組員襲撃
1996年2月11日 久保田時任を拾う
1996年2月14日 時任目覚める
1996年3月8日 時任久保田の腕を折る
1996年3月10日 時任謝る
1996年3月15日 時任パスタを作る
1996年4月30日 時任ちくわぶを買う
1996年6月2日 翔太引っ越す
1997年1月16日~ 沙織編
1997年8月 滝沢編
1997年 12月10日志村殺害事件
1998年4月 佐藤義郎氏出所
1998年(穀雨:4/20~5/6) 時任豆知識披露
1998年5月 チンピラ佐藤老人宅に押し入り
1998年 (冬?)修司死亡
1998年 修司死亡より49日頃の6日 時任拉致
1998年 (4月より数ヶ月後)10日出雲会タンカー襲撃事件
頑張った。。。。。。多分漏れはない筈。
やっぱりどう考えても時任が逃げ出した時期とWAの流出時期一緒だな~~~~~~~~
修司死亡時期を冬にしてるのは、ゲーセンの人たちの服装が冬っぽかったのと、真田さんが「まだ時期ではない」って言ってるバックの木が枯れているからです。
小宮さんが死んで二年近くたつ、だしなぁ。まぁあんまり真冬だと三年近く、のような気がするけど。
時系列考察1にしたのは、この先、情報が更新されることを期待してるからだよ!
もう私のGWは終わりましたよ……楽しかったけど、楽しすぎて今が寂しい……
次ぎ会えるのはいつかなー。
夏か秋か冬か……
何だかんだ毎年一回以上会ってるけどね、この距離でね(笑)
一日目。
横浜の赤レンガ倉庫でめっちゃ美味しいオムレツとパンケーキ食べて(8時に並んで食べられたのが10時過ぎという盛況具合。まぁ私は安定の寝坊と遅刻かまして合流したの8時半でしたが……)
我が家で少しまったりして、自由が丘にガレット食べに行って、しかしまさかの店貸切に泣き、渋谷のガレット屋さんでガレットの美味さにおののき、ヒカリエでお土産物色し、我が家に帰って進撃の巨人を熱く語りマカロン齧りながらエヴァQを鑑賞してカヲシン本読んでもらって就寝。
二日目。
朝ぐだぐだ。basaraをする。佐助の良さを力説。佐助の良さは分かってもらえたけど、幸村のかわいさの説明は難しいね・・・。可愛いんだけど、ばかわいいんだけど、私幸村のあの変な真面目さが良いと思うんだよね。単純な熱血馬鹿ではないのですよ。馬鹿だし熱血だけど(笑)後は持ってる限りの久保時ポスターできゃっきゃ。大きさが良い。そして久保時熊できゃっきゃ。荒磯扉の久保時熊を再現してみたよ!そして遅めの昼食(おやつ)を食べにカフェマルコリーニへ。流石の美味しさでしたよチョコ……イチゴのコンポート入りホットチョコレートとガトーショコラの美味しさがもう筆舌に尽くせぬレベルでした。そしてまたヒカリエでお土産を買いまくり、ハワイアンなお店でチキンとフォーを食べて美味しさに悶絶し、東京駅でエリさんとお別れしました!
凄いグルメツアーだよね(笑)
エリさんと翔ちゃんが遊びに着たら大体そうなるよ!
しかしレミゼ見たかったな。。。。。。本当に残念。
ガレットの店貸切も大概信じらんねぇと思ったけど、あっちはまぁ、渋谷のが奇跡的な美味しさだったんでいいや(笑)
そして、連載再開前夜祭的なアレでもあったんですが、しみじみ思うのは、私、連載再開までのこの三年間で久保時に飽きてたとは思わないんだけど、でもなんだかんだ乗り切れたのは皆と同じ話題をなんども繰り返しながらも(笑)一緒に三年間耐えたからなんだろうなーと。
出会いに本当に感謝する。
出会いっていうか皆が私に声かけてくれたからだよね。
皆ありがとう!!大好きだよ!!
次ぎ会えるのはいつかなー。
夏か秋か冬か……
何だかんだ毎年一回以上会ってるけどね、この距離でね(笑)
一日目。
横浜の赤レンガ倉庫でめっちゃ美味しいオムレツとパンケーキ食べて(8時に並んで食べられたのが10時過ぎという盛況具合。まぁ私は安定の寝坊と遅刻かまして合流したの8時半でしたが……)
我が家で少しまったりして、自由が丘にガレット食べに行って、しかしまさかの店貸切に泣き、渋谷のガレット屋さんでガレットの美味さにおののき、ヒカリエでお土産物色し、我が家に帰って進撃の巨人を熱く語りマカロン齧りながらエヴァQを鑑賞してカヲシン本読んでもらって就寝。
二日目。
朝ぐだぐだ。basaraをする。佐助の良さを力説。佐助の良さは分かってもらえたけど、幸村のかわいさの説明は難しいね・・・。可愛いんだけど、ばかわいいんだけど、私幸村のあの変な真面目さが良いと思うんだよね。単純な熱血馬鹿ではないのですよ。馬鹿だし熱血だけど(笑)後は持ってる限りの久保時ポスターできゃっきゃ。大きさが良い。そして久保時熊できゃっきゃ。荒磯扉の久保時熊を再現してみたよ!そして遅めの昼食(おやつ)を食べにカフェマルコリーニへ。流石の美味しさでしたよチョコ……イチゴのコンポート入りホットチョコレートとガトーショコラの美味しさがもう筆舌に尽くせぬレベルでした。そしてまたヒカリエでお土産を買いまくり、ハワイアンなお店でチキンとフォーを食べて美味しさに悶絶し、東京駅でエリさんとお別れしました!
凄いグルメツアーだよね(笑)
エリさんと翔ちゃんが遊びに着たら大体そうなるよ!
しかしレミゼ見たかったな。。。。。。本当に残念。
ガレットの店貸切も大概信じらんねぇと思ったけど、あっちはまぁ、渋谷のが奇跡的な美味しさだったんでいいや(笑)
そして、連載再開前夜祭的なアレでもあったんですが、しみじみ思うのは、私、連載再開までのこの三年間で久保時に飽きてたとは思わないんだけど、でもなんだかんだ乗り切れたのは皆と同じ話題をなんども繰り返しながらも(笑)一緒に三年間耐えたからなんだろうなーと。
出会いに本当に感謝する。
出会いっていうか皆が私に声かけてくれたからだよね。
皆ありがとう!!大好きだよ!!
テンションというか血糖値上がらなすぎてヤバいだっる…
連休明け辛いですね…
お土産色々いただいたというのにこの時間になっても変にダルいし眠いしあー早く週末にならないかなぁ。
そして早く再来週にならないかな…
表紙&巻頭カラー&クリア下敷き&図書カードとかアダプタ祭り過ぎるワード。
三連休ですが、土曜日光ちゃんと蒼梓ちゃんとりーやんが遊びに来てくれたよ!!
りーやんと蒼梓ちゃん入れ違いだったけど(笑)
前半は荒磯新装版に萌えMWに萌えドラマCDに萌え久保時PVに萌え。
何か思い返したら良く分からんアレだったけど非常に楽しかったです(笑)
皆同い年だったしね( ´∀`)キャッキャした
後半は更にグダグダでQ観た後はフツーにテレビ見てご飯食べてダラダラ喋ってただけだしね(笑)
関西支部とは良くあるアレですが、やっぱり拠点が部屋になるとこうなっちゃうよね~(笑)
でも非常に楽しかったです(笑)
日曜日は亜茶と進撃の巨人について大分熱く語った。
最新刊を読んでからの考察をずっと語りたかったから非常に楽しかった。
漫画読みながらホント語りたい。
月曜日はひたすら小説書いたり時任描いてた。幸せだった。
そうそう紅蓮もうblogに上げないって言ってたけどエロシーン省けばそこそこ載せられそう何で可能な限り上げることにしました。
二章から昔のに準拠してます。話の流れは。
読み比べたら全然違うかもしれないけど(笑)
連休明け辛いですね…
お土産色々いただいたというのにこの時間になっても変にダルいし眠いしあー早く週末にならないかなぁ。
そして早く再来週にならないかな…
表紙&巻頭カラー&クリア下敷き&図書カードとかアダプタ祭り過ぎるワード。
三連休ですが、土曜日光ちゃんと蒼梓ちゃんとりーやんが遊びに来てくれたよ!!
りーやんと蒼梓ちゃん入れ違いだったけど(笑)
前半は荒磯新装版に萌えMWに萌えドラマCDに萌え久保時PVに萌え。
何か思い返したら良く分からんアレだったけど非常に楽しかったです(笑)
皆同い年だったしね( ´∀`)キャッキャした
後半は更にグダグダでQ観た後はフツーにテレビ見てご飯食べてダラダラ喋ってただけだしね(笑)
関西支部とは良くあるアレですが、やっぱり拠点が部屋になるとこうなっちゃうよね~(笑)
でも非常に楽しかったです(笑)
日曜日は亜茶と進撃の巨人について大分熱く語った。
最新刊を読んでからの考察をずっと語りたかったから非常に楽しかった。
漫画読みながらホント語りたい。
月曜日はひたすら小説書いたり時任描いてた。幸せだった。
そうそう紅蓮もうblogに上げないって言ってたけどエロシーン省けばそこそこ載せられそう何で可能な限り上げることにしました。
二章から昔のに準拠してます。話の流れは。
読み比べたら全然違うかもしれないけど(笑)
売春窟を出たその足で、引換所に向かい、首と賞金とを交換する。真夜中に叩き起こされた引換所の主は当初不機嫌そうであったが、久保田の面体を見た途端、卑屈なまでに愛想良く応対した。
痩躯長身。面差しや態度は飄々としており、他人に恐れを抱かせるような要素はない。威名馳せる人物なのかもしれない。生業は賞金首狩りの様なので、人殺しとして。久保田と引換所の主のやり取りを見ながら時任はそう考えた。
久保田が宿に戻る気配はなく、それどころかその足で町を出ようとしている。周囲は既に家屋も疎らで、道と曠野の境界も曖昧中、僅かな月明かりを頼りに歩を進める。微光に照る場所だけが仄かに青白く、他は墨で塗り潰した如くだ。時は夜明けも近いような夜半。
夜明け前が最も暗い。次の町へと続く荒野には乾いた大地と僅かな植物の他、何もない。砂に消され足跡すらも残らない道を歩いて行こうというのだろうか。
それまで黙って付随っていた時任は、その背に問いを投げ掛けた。
「宿は?」
久保田は立ち止まって彼の奴隷を振り返った。
己の換えの黒い外衣を着せた時任は、全身黒闇に溶け込んだ様で、目深に被った外衣の隙間から覗く肌だけがぼうと仄白い。時任も歩みを止める。
「まさかこのまま行く気じゃねぇよな。馬車もなしに」
奴隷らしからぬ気随な言様の時任を久保田は注意深く観察した。不躾な口調は彼の立場からすれば考えられぬものだ。そこだけ切り取れば凡そ奴隷らしからぬといえよう。
だが、時任は久保田の隣に並ぶ気配はない。三歩下がった距離で久保田の答えを待っている。元の通り背を向け、久保田は歩き出す。背後の気配は着いて来るようだった。
「せめて馬とか駱駝とか。丸一日歩き通しとか冗談じゃねぇよ」
悪態混じり要求と、対照的な随順。久保田は気付いた。これは虚飾の気随だ。
恐らく、我儘を言うように、躾けられて居るのだろう。態と我儘を言わせ、時にそれを聞いてやり、時にそれを叱咤する。飼猫の相手をするように。世の中にはそういう趣向の人間もいないではない。故に、彼の言葉は本心を含まぬ放言の筈だ。
しかしそれでいて、どこか素の我を見せるところに久保田は興味を惹かれた。
矢張り面白い。久保田の口角が上がる。飼猫よりも野良猫の方がずっと興趣が尽きぬ。皮を剥いだ下に潜むは猫か虎か、手に負えぬ化け物か。
だからこそ時任が、逃亡の素振りを見せないことが久保田には意想外だった。
背を向けたまま久保田は時任に答えた。
「次の仕事までは間があるし、暫くは節約しないとね」
腰の革袋を軽く叩く。膨らみも重さも以前の倍以上だが、価値は比較にもならない。
「小物だったからなぁ。もっと大物の首があればよかったんだけど」
「……お前、金持ちなんだよな?」
久保田の物言いに、時任は訝しげな表情を浮かべる。その気配を読み取って、また歩みを止め久保田は革袋を差し出した。一瞬の躊躇の後、時任はそれを受け取る。中を見るように促され、革紐を解き覗き込む。月色に照る銀の光。
「元ね。今はこれが全財産」
「……はぁ?」
時任は唖然とする。
久保田が差し出した革袋の銀貨は、先程賞金首との引き換えに得た物だ。つまり、時任と引き換えに渡したあの金剛石はあの時点での久保田の全財産だったということだ。
「なんでッ!」
理解の範疇を超えた久保田の行動に時任は我を忘れ、食って掛かる。道楽や一瞬の衝迫としては法外な代価だ。冗談であればいい。しかし本気であるのなら。
「路銀さえ足りればね。別に欲しいものもなかったし」
久保田の言葉は冗談とも本気とも判別付かなかった。何も感じない。金面への執着も、何も。
「……欲しいもん何て色々あるだろ」
久保田に革袋を突き返し、時任は口を尖らせる。
「例えば?」
「美味い食い物とか、面白いもんとか、格好いい武器とか」
自由とか。
「んー」
「ないのかよ……」
久保田は明確な答えを口にはせず、時任を見た。
欲しい物等ない。必要ないと思い生きてきた。今もそう思っている筈だ。では、目の前のこれは何だ。
「確かに、何が欲しくなるか分かんないもんだねぇ。初めてだ」
長い前髪の間から覗く硝子越しの瞳は、好奇を帯びて光り、枯渇に滑り、注視に冷たく、幾何かの執着を彼に向けている。
冷たくもありながら熱ぽっさも感じる。居心地の悪い視線に身動ぎし、時任は困惑した。久保田が己に何を欲しているのかが分からない。しかし出来ることは限られている。
「してぇの?」
顎を上げ、喉元の外衣をずらす。夜気に晒される白い首筋。
「なら今すぐすっきりさせてやるぜ? 場所、選ばねぇし」
無論、久保田が場所を選ばぬことが前提ではあったが。
久保田の表情に然したる変化は見られなかった。彼は一言こう言った。
「えっち」
「はぁッ?」
意想外の言葉に頓狂な声を上げた時任に、久保田は先程から胸裏に抱いていた疑問を投げかける。
「ねぇ、何で逃げないの?」
売春窟を出て直ぐに手は放した。元より鎖は握っていない。しかし時任は従順に久保田の三歩後ろを着いてきた。
逃げたい、と彼が言ったら己はどうするのだろう。
逃がしたいという平明な意思が久保田に在る訳ではない。ただ、垣間見た身体能力から、時任が全力で駈走れば追付くのは容易ではないだろうと考えただけだ。加えて辺りは暗闇。逃亡には絶好の環境。
そもそも、逃げた猫を己は追うのだろうか。
「……」
初めて欲したのは事実だ。だが、そこまでの執着が己に存在することが信じられない。自身の衝動でさえ定かではない久保田の心中を、勿論時任は知る由もない。しかし、久保田の言葉が本気か否か等、時任には関係なかった。
「お前、奴隷のこと何も知らねぇのな」
浮かべたのは呆れの情。この奴隷は惜し気もなく躊躇いもなく実に色々な感情を表出して見せる。
右手で首の頸輪を指す。
「この首輪に鍵はない」
華奢な首筋に嵌る、鍵穴のない武骨な鉄の輪。一度嵌めれば内部の凹凸が複雑に噛み合い、永劫その軛から解放されることはない。
「それに、この右手……」
拳を握る。黒い皮手袋の下には皮膚に刻まれた墨の紋様があった。通常、奴隷の主となった者は、自らの奴隷に刺青か焼鏝で所有の証を刻む。家畜と同様に。
首輪も文身も、生ある限り逃れられない隷属の符牒だ。
「お前殺して逃げたって、奴隷じゃなくなる訳じゃねぇんだよ」
「そっか」
「俺が生き延びる為に出来る唯一の事は、お前に抱かれることだけだ」
抱かれる、そう言いながら外衣を脱ぎ払った手の動きは力強い。
生きる意志を見せる時、彼の瞳の奥は焔々と燃上がる。闇に慣れた目で直視などしたら焼き潰される、そんな光だ。
そっか。
久保田は得心した。
時任は生に拘泥している。何よりも生きる事を主眼に置いている。だから逃げなかった。
そして、だから惹かれた。
言葉を交わせば交わす程、知れば知る程、この奴隷と己は違う。生への執着は何よりも己に欠遺しているものだ。欠けているから欲しくなった。
久保田はそんな風に納得した。
地平線が白み始める。黒が藍に変わる暁闇に転ずる。
夜気に晒された肌は矢張り白く、艶めかしく、触れる掌と舌を待っている。
「やっぱえっちだね、お前」
「茶化すなよ」
「甘いなぁ」
距離を詰める。久保田を見上げる顔に落ちる影。暁天を背に立っている為か暗く、間近でも不明瞭な面貌の中、時任を映す眼睛は夜明け前の暗晦より尚暗い。
「俺が自分の性欲解消する為だけにお前の事、買ったと思ってるの?」
ごくりと唾を飲み込む。
時任は自分の値を知っている。代価として積まれた金貨の山を知っている。久保田はその十倍を支払ったと言った。そしてそれは自分の全財産だと。
何の為に?
一通りの理不尽は経験してきた。だが、奈落の底のような目を見せるこの男が何を要求してくるのか、時任にも想像もできなかった。
「言ったでしょ、初めて欲しくなったものだって」
そう。抱かれるだけ、なんてそんな事を目の前の存在に求めた訳ではないのだ。何に対しても感興そそられぬ無味乾燥な生を貪ってきた己を、生きる意志、炎の様な強さのそれのみで惹き付けた存在に求めていることはもっとずっと沢山ある。
最初の要求は。
「先ずは、隣を歩いて欲しいかな」
ぱちり、ぱちりと何度も瞬きをする。拍子抜けしたように肩を下げた時任の表情が緩み、口から力のない悪態が漏れる。
「……ばーか」
暁紅く、陽光、空を白々と染め始める。
「変な奴ッ!」
時任が初めて見せた笑顔は、燃える暁の赤光に炙られ生娘の恥じらいの様に驚くほど初心な表情に見えた。
心臓が震える。
今まで己の搏動すら曖昧模糊たる白昼夢の中を生きてきたのに、鮮烈な赤に文字通り目が覚める思いがした。
「酷いなぁ」
頬を撫でる。手を下に滑らせて首筋を、鎖骨を、胸元を、現実の膚触を確かめるかの様に触れる。薄布の上から、己が所有だという体を大きく乾いた掌でゆっくりとなぞった。
擽ったそうに身を捩り、時任は纏っている紅い絹衣を掴んで言った。
「なぁ……この服、売れば?」
「なんで?」
「足りねぇんだろ、路銀」
「似合ってるのに? それ。勿体ないやねぇ」
幾多の宝石が縫い付けられ金糸が燦然と眩い緋の衣は、時任が富貴なる者を対象とした夜伽の道具で、それ相応の装いを必要とされたことを物語っていた。
「どの道、こんな恰好じゃ旅なんてできねぇじゃん」
悪戯っぽく時任は続ける。
「これからずっと、歩いて行くんだろ」
隣を。
痩躯長身。面差しや態度は飄々としており、他人に恐れを抱かせるような要素はない。威名馳せる人物なのかもしれない。生業は賞金首狩りの様なので、人殺しとして。久保田と引換所の主のやり取りを見ながら時任はそう考えた。
久保田が宿に戻る気配はなく、それどころかその足で町を出ようとしている。周囲は既に家屋も疎らで、道と曠野の境界も曖昧中、僅かな月明かりを頼りに歩を進める。微光に照る場所だけが仄かに青白く、他は墨で塗り潰した如くだ。時は夜明けも近いような夜半。
夜明け前が最も暗い。次の町へと続く荒野には乾いた大地と僅かな植物の他、何もない。砂に消され足跡すらも残らない道を歩いて行こうというのだろうか。
それまで黙って付随っていた時任は、その背に問いを投げ掛けた。
「宿は?」
久保田は立ち止まって彼の奴隷を振り返った。
己の換えの黒い外衣を着せた時任は、全身黒闇に溶け込んだ様で、目深に被った外衣の隙間から覗く肌だけがぼうと仄白い。時任も歩みを止める。
「まさかこのまま行く気じゃねぇよな。馬車もなしに」
奴隷らしからぬ気随な言様の時任を久保田は注意深く観察した。不躾な口調は彼の立場からすれば考えられぬものだ。そこだけ切り取れば凡そ奴隷らしからぬといえよう。
だが、時任は久保田の隣に並ぶ気配はない。三歩下がった距離で久保田の答えを待っている。元の通り背を向け、久保田は歩き出す。背後の気配は着いて来るようだった。
「せめて馬とか駱駝とか。丸一日歩き通しとか冗談じゃねぇよ」
悪態混じり要求と、対照的な随順。久保田は気付いた。これは虚飾の気随だ。
恐らく、我儘を言うように、躾けられて居るのだろう。態と我儘を言わせ、時にそれを聞いてやり、時にそれを叱咤する。飼猫の相手をするように。世の中にはそういう趣向の人間もいないではない。故に、彼の言葉は本心を含まぬ放言の筈だ。
しかしそれでいて、どこか素の我を見せるところに久保田は興味を惹かれた。
矢張り面白い。久保田の口角が上がる。飼猫よりも野良猫の方がずっと興趣が尽きぬ。皮を剥いだ下に潜むは猫か虎か、手に負えぬ化け物か。
だからこそ時任が、逃亡の素振りを見せないことが久保田には意想外だった。
背を向けたまま久保田は時任に答えた。
「次の仕事までは間があるし、暫くは節約しないとね」
腰の革袋を軽く叩く。膨らみも重さも以前の倍以上だが、価値は比較にもならない。
「小物だったからなぁ。もっと大物の首があればよかったんだけど」
「……お前、金持ちなんだよな?」
久保田の物言いに、時任は訝しげな表情を浮かべる。その気配を読み取って、また歩みを止め久保田は革袋を差し出した。一瞬の躊躇の後、時任はそれを受け取る。中を見るように促され、革紐を解き覗き込む。月色に照る銀の光。
「元ね。今はこれが全財産」
「……はぁ?」
時任は唖然とする。
久保田が差し出した革袋の銀貨は、先程賞金首との引き換えに得た物だ。つまり、時任と引き換えに渡したあの金剛石はあの時点での久保田の全財産だったということだ。
「なんでッ!」
理解の範疇を超えた久保田の行動に時任は我を忘れ、食って掛かる。道楽や一瞬の衝迫としては法外な代価だ。冗談であればいい。しかし本気であるのなら。
「路銀さえ足りればね。別に欲しいものもなかったし」
久保田の言葉は冗談とも本気とも判別付かなかった。何も感じない。金面への執着も、何も。
「……欲しいもん何て色々あるだろ」
久保田に革袋を突き返し、時任は口を尖らせる。
「例えば?」
「美味い食い物とか、面白いもんとか、格好いい武器とか」
自由とか。
「んー」
「ないのかよ……」
久保田は明確な答えを口にはせず、時任を見た。
欲しい物等ない。必要ないと思い生きてきた。今もそう思っている筈だ。では、目の前のこれは何だ。
「確かに、何が欲しくなるか分かんないもんだねぇ。初めてだ」
長い前髪の間から覗く硝子越しの瞳は、好奇を帯びて光り、枯渇に滑り、注視に冷たく、幾何かの執着を彼に向けている。
冷たくもありながら熱ぽっさも感じる。居心地の悪い視線に身動ぎし、時任は困惑した。久保田が己に何を欲しているのかが分からない。しかし出来ることは限られている。
「してぇの?」
顎を上げ、喉元の外衣をずらす。夜気に晒される白い首筋。
「なら今すぐすっきりさせてやるぜ? 場所、選ばねぇし」
無論、久保田が場所を選ばぬことが前提ではあったが。
久保田の表情に然したる変化は見られなかった。彼は一言こう言った。
「えっち」
「はぁッ?」
意想外の言葉に頓狂な声を上げた時任に、久保田は先程から胸裏に抱いていた疑問を投げかける。
「ねぇ、何で逃げないの?」
売春窟を出て直ぐに手は放した。元より鎖は握っていない。しかし時任は従順に久保田の三歩後ろを着いてきた。
逃げたい、と彼が言ったら己はどうするのだろう。
逃がしたいという平明な意思が久保田に在る訳ではない。ただ、垣間見た身体能力から、時任が全力で駈走れば追付くのは容易ではないだろうと考えただけだ。加えて辺りは暗闇。逃亡には絶好の環境。
そもそも、逃げた猫を己は追うのだろうか。
「……」
初めて欲したのは事実だ。だが、そこまでの執着が己に存在することが信じられない。自身の衝動でさえ定かではない久保田の心中を、勿論時任は知る由もない。しかし、久保田の言葉が本気か否か等、時任には関係なかった。
「お前、奴隷のこと何も知らねぇのな」
浮かべたのは呆れの情。この奴隷は惜し気もなく躊躇いもなく実に色々な感情を表出して見せる。
右手で首の頸輪を指す。
「この首輪に鍵はない」
華奢な首筋に嵌る、鍵穴のない武骨な鉄の輪。一度嵌めれば内部の凹凸が複雑に噛み合い、永劫その軛から解放されることはない。
「それに、この右手……」
拳を握る。黒い皮手袋の下には皮膚に刻まれた墨の紋様があった。通常、奴隷の主となった者は、自らの奴隷に刺青か焼鏝で所有の証を刻む。家畜と同様に。
首輪も文身も、生ある限り逃れられない隷属の符牒だ。
「お前殺して逃げたって、奴隷じゃなくなる訳じゃねぇんだよ」
「そっか」
「俺が生き延びる為に出来る唯一の事は、お前に抱かれることだけだ」
抱かれる、そう言いながら外衣を脱ぎ払った手の動きは力強い。
生きる意志を見せる時、彼の瞳の奥は焔々と燃上がる。闇に慣れた目で直視などしたら焼き潰される、そんな光だ。
そっか。
久保田は得心した。
時任は生に拘泥している。何よりも生きる事を主眼に置いている。だから逃げなかった。
そして、だから惹かれた。
言葉を交わせば交わす程、知れば知る程、この奴隷と己は違う。生への執着は何よりも己に欠遺しているものだ。欠けているから欲しくなった。
久保田はそんな風に納得した。
地平線が白み始める。黒が藍に変わる暁闇に転ずる。
夜気に晒された肌は矢張り白く、艶めかしく、触れる掌と舌を待っている。
「やっぱえっちだね、お前」
「茶化すなよ」
「甘いなぁ」
距離を詰める。久保田を見上げる顔に落ちる影。暁天を背に立っている為か暗く、間近でも不明瞭な面貌の中、時任を映す眼睛は夜明け前の暗晦より尚暗い。
「俺が自分の性欲解消する為だけにお前の事、買ったと思ってるの?」
ごくりと唾を飲み込む。
時任は自分の値を知っている。代価として積まれた金貨の山を知っている。久保田はその十倍を支払ったと言った。そしてそれは自分の全財産だと。
何の為に?
一通りの理不尽は経験してきた。だが、奈落の底のような目を見せるこの男が何を要求してくるのか、時任にも想像もできなかった。
「言ったでしょ、初めて欲しくなったものだって」
そう。抱かれるだけ、なんてそんな事を目の前の存在に求めた訳ではないのだ。何に対しても感興そそられぬ無味乾燥な生を貪ってきた己を、生きる意志、炎の様な強さのそれのみで惹き付けた存在に求めていることはもっとずっと沢山ある。
最初の要求は。
「先ずは、隣を歩いて欲しいかな」
ぱちり、ぱちりと何度も瞬きをする。拍子抜けしたように肩を下げた時任の表情が緩み、口から力のない悪態が漏れる。
「……ばーか」
暁紅く、陽光、空を白々と染め始める。
「変な奴ッ!」
時任が初めて見せた笑顔は、燃える暁の赤光に炙られ生娘の恥じらいの様に驚くほど初心な表情に見えた。
心臓が震える。
今まで己の搏動すら曖昧模糊たる白昼夢の中を生きてきたのに、鮮烈な赤に文字通り目が覚める思いがした。
「酷いなぁ」
頬を撫でる。手を下に滑らせて首筋を、鎖骨を、胸元を、現実の膚触を確かめるかの様に触れる。薄布の上から、己が所有だという体を大きく乾いた掌でゆっくりとなぞった。
擽ったそうに身を捩り、時任は纏っている紅い絹衣を掴んで言った。
「なぁ……この服、売れば?」
「なんで?」
「足りねぇんだろ、路銀」
「似合ってるのに? それ。勿体ないやねぇ」
幾多の宝石が縫い付けられ金糸が燦然と眩い緋の衣は、時任が富貴なる者を対象とした夜伽の道具で、それ相応の装いを必要とされたことを物語っていた。
「どの道、こんな恰好じゃ旅なんてできねぇじゃん」
悪戯っぽく時任は続ける。
「これからずっと、歩いて行くんだろ」
隣を。